前任者が作ったExcelマクロを引き継ぐとき、最初に見る所
前任者が作ったExcelのボタンを、説明書なしで押し続けている。エラーが出ると誰も直せず、担当が替わるたびに不安が増える。そんなマクロを引き継ぐとき、最初に読むべきものは、必ずしもプログラムの中身ではありません。まず、その仕組みで何の仕事を終わらせているかを確認します。
ボタンの前と後を、仕事の言葉で書く
「月末集計」だけでは範囲が広すぎます。誰から何を受け取り、どこへ置き、どのボタンを押し、何を確認して、誰へ渡すのか。普段の作業を順番に書きます。特定の担当者しか知らない例外処理や、月末だけ追加する手順も聞いてください。
画面の操作が同じでも、取引先ごとに入力形式が違うことがあります。「この列は消してはいけない」「先に別の表を更新する」といった暗黙の前提を残します。コードが読めない担当者でも、仕事の入口と出口なら確認できます。ここが分かるだけでも、相談時の説明が具体的になります。
原本と実行用を区別する
共有フォルダーに「最新版」「最新版2」「最終修正」が並んでいたら、まず普段使っているファイルを特定します。更新日時が新しいだけで正本と決めないでください。ショートカットの参照先や、実際に使う担当者への確認が必要です。
原本を保管し、変更を試すコピーと分けます。コードだけでなく、入力用のひな形、出力見本、設定ファイルも一組として考えます。ただし顧客名や個人情報を含む見本を、引き継ぎ用だからと広く共有しないでください。社内の保存規則に従い、確認に必要な範囲を用意します。
Excelの外側も確認する
マクロは、そのブックだけで完結しているとは限りません。別のExcel、CSV、共有フォルダー、プリンター、データベースなどを使っている場合があります。固定された保存先がないか、特定のパソコンだけで動く理由がないかを確認します。
ExcelとOfficeの製品名、32bit・64bit、必要な追加ソフトも記録します。Microsoftは、64bit版OfficeではWindows機能を呼び出すDeclare文や、ポインターなどの型への対応が必要と説明しています。パソコン交換で動かなくなっても、全面的な作り直しが唯一の答えとは限りません。
「動いた」以外の確認を用意する
引き継ぎ時に大切なのは、正しい結果の見本です。代表的な入力を使い、出力の件数、合計、端数、日付、印刷範囲など、業務で必要な確認項目を決めます。月末、空欄、重複といった条件も、現場で起きる範囲で用意します。
本番処理と切り離し、テストでメール送信や台帳更新が走らないかも先に確認します。確認できないなら無理に実行せず、担当者へ相談してください。安全に試せる範囲と、元に戻す方法が分からない状態では、見た目だけの小さな修正でも業務へ影響することがあります。
安全設定の変更を引き継ぎ手順にしない
メールで受け取ったマクロには、インターネット由来のファイルとして保護が働く場合があります。「警告が出たら全部許可する」という説明を残すと、正体不明のファイルにも同じ操作をしてしまいます。作成元、会社の配布方法、管理者のルールを確認しましょう。
変更したときは、日付、理由、担当、確認した結果を短く残します。パスワードを手順書へ書く必要はありません。権限や秘密情報は所定の管理方法へつなぎ、次の担当者が誰に聞けばよいかを明確にしておきます。
相談前の簡易チェック
- 正本と普段使うファイルを特定できた。
- 入力、操作、出力、確認者を説明できる。
- 正しい結果の見本と、戻すためのコピーがある。
- 保存先、実行環境、相談先を記録している。
全部そろわなくても構いません。無料の簡易チェックで不足を整理し、30分の無料相談で状況をお聞かせください。予約時に業務データやパスワードを送らないでください。作業は2026年11月1日から、対応範囲は状態を確認してご案内します。